ちょっと冷たい雨が続いています。
↑我が家のおもての道にいる樹です。先日ご紹介したハクウンボクとは葉っぱの存在感や枝の拡げ方、花の付け方は違いますが、花そのものはよく似ています。ぱきぱきした肌の感じも似ているので、やっぱりエゴノキ科なのかな?
あたたかな雨が降り注ぐみたいにつぼみを付けていたので、毎日楽しみに挨拶していたのですが、だいぶ咲き揃ってきました。雨の雫に身を委ねて、ほんとうに降ってくるみたい。滴る雫も、幸せそう。
↑こちらは六本木ヒルズのけやき坂のケヤキ。しっかりと降った雨に濡れた幹がつやつやと黒くなっています。晴れた日とは趣の異なる、艶やかなコントラスト。世界はほんとうにカラフルです。
たっぷりと濃くてしっとりと深い、「黒」と呼ばれる色が、私はとても好きです。それはたとえば、健康な犬の濡れた鼻や、優しく潤んで賢く輝く瞳の色。種を抱くのを待っている、芳しい土の色。黒を不吉っぽいとか不幸っぽいとかいう理由で、避ける人もいます。人間は、生の続きに死があること以上に、死の続きに生があることを忘れがちだからなのでしょう。でも生き生きと美しい黒は、いつも水の気配をたたえています。いのちの豊かさが、宿っています。
天から水が注ぐ雨の日は、黒を堪能できる日です。
瑞々しい黒の香り
ベンゾイン 2滴
フランキンセンス 2滴
ローズウッド 1滴
パチュリー 1滴