9.11から8年になるのですね。
当時私はインテリアの仕事をしていて、次の日が早かったので、そろそろお風呂に入らなくちゃなあ・・・と思いながら、ニュースステーション(もはや懐かしい!)を観ていました。
ぽっかりとした空に黒煙をあげるワールドトレードセンターの、痛ましい姿。報道のプロたちが装う冷静さから、それでも動揺はどんどん浸み出していました。
「大変なことが、起こってるんだ・・・。」と感じながらも、次の朝のことを気にしないといけなかったので、釘付けになりたい気持ちを払いつつ、お風呂に入りました。
お風呂からあがってニュースをつけたら、片方の棟がなくなっていました。
それまで多くの人は、ハリウッド大作なんかで、「衝撃映像!」の類にはけっこう慣れたつもりでいたのではなかったでしょうか。
でも、そこで起こっていることの真実味には、感情が身動きが取れなくなるような重さがあって、茫然とした奇妙な静けささえ、あるような感じがしました。
人間はおそらく、意図的に何かを傷付けようとする唯一の生きものです。ただ、何かを傷付けようとする時、そこに悪意が必ずあるわけではないんだとは、分かります。それでもやっぱり、何かを傷付けることで存在を証明しようとするのは、とてもとても悲しいことです。
この日に起こったことを忘れてはいけない、と、例えば光の柱で建物の面影を表現するなど、今年も印象的な追悼イベントが開かれていました。
人間は、忘れてしまう生きものです。でもだからこそ、覚えていよう、という意思を持つことのできる生きものでもあります。
では、覚えていたいことは、なんでしょうか?忘れないでいたいことは、なんでしょうか?
それはきっと本当は、怒りや憎しみや、悲しみや恐れではないのだと思うのです。
愛するものたちが恙無く日々を過ごしていること。そんな何事もないかのように淡々と過ぎていく日々が、どれほど愛おしく大切なものなのかを知ったこと。そんな日々を守りたいと心の底から願ったこと。そんな日々が続くようにと心の底から祈ったこと・・・。
忘れないでいたいのは、本当はそんなことのように、思います。
すべての存在に、平和を。
平和の香り
ラベンダー 2滴
ローズウッド 1滴
エレミ 1滴