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ことの葉暦

leafstar.exblog.jp

Slow Life, Lovely Life

いつもは植物たちの可愛い姿をお届けしていますが、今日はちょっと、痛ましい姿のお話をします。
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↑冬のイルミネーションが東京の風物詩になりつつある、六本木ヒルズのケヤキ並木。「おや?もう彩づき始めているのかな??」と思いきや・・・
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↑実は、虫にやられているんです…。彩づくより前に力尽きてしまうかもしれない・・・と、疲れが顕わになってしまっていたんです・・・。

今年は春から、なんだか様子がおかしかったのです。葉っぱの緑がベビーグリーンからもうちょっとしっかりしたグリーンに育った頃、日の光の透け具合がいつもと奇妙に違うことに気付きました。
植物たちは、この地球で一緒に暮らす生きものたちがいのちを繋ぐための糧にと、その身を差し出してくれてもいますが(我が家のまだ小さなフクギの子供にも、葉っぱのふちに一か所だけ半月形にかじられた跡があります。奄美で暮らしていた頃に、虫に少しあげたのでしょう。そんな姿がまた愛おしい。)こんな危ういぐらいにすかすかになっているなんて・・・と心配していたら、やっぱり植物が大好きな方が書かれていて、素敵な写真も楽しみなお気に入りのブログにも、石神井公園で同じような状況が起こっていることが書かれていました。その筆者のミズキの花さんは、「異常気象に樹木たちがついていけていないのでは・・・?」とおっしゃっていましたが、「おかしくなってることに、しんどくなっていることに、お願いだから気付いて・・・。」と樹々たちが訴えているように、私も感じます。

自然には、世界には約束があって、みんながそれを誠実に守っている・・・とよく書いていますが、星の世界で「約束」を司っているのは、土星です。そんな土星が守る大切なもののひとつに、「時間」があります。
最新の宇宙物理学では、時間の速度というものは必ずしも一定ではないことがもはや常識になっていますが、少なくとも、太陽の光を受けとることで時を計っている太陽系に生きるすべてのものたちには、太陽によって結ばれ、共に受け容れた一つの時の定めがあるのです。
その定めに従い、地球に生きるいのちたちも、日の光を受けとった分だけその身を育て、その身にふさわしいだけの活動をすることで、たゆまず互いに調和して、ずっと共に生きてきました。
けれども人間は、科学技術を手に入れたことで加速度的に貪欲になりました。火の光を濫用することで、日の光と結んでいた「時間の約束」を、破るようになったのです。夜も昼もなく活動し、その身以上にもっと速く、もっと遠く、もっと多く、もっと大きく、を求め続けました。

そんな不埒が、他のみんなを困らせたり、傷付けたりしないはずがありません・・・。

温暖化や異常気象が深刻になって、自分たちも困るようになって、人間たちはやっと、自分たちが大切な約束を違えていたことに、気付き始めてはいます。でも、ずっと貪欲であり続けたものにとって、手にしている何かやもっと手にしたい何かを手放すのは、なかなかできないことみたいです。

そんな今だから、想ってみてみてほしいな、と思います。
樹々の緑が健やかな様を。澄んだ花の色が映える様を。
シロクマが力尽きて溺れたりなんかしない、凍った海のしっかりとしたまばゆさを。
ずっとあってほしい可愛いものたちがもういることに、たくさんたくさん気付ければいいな、と思います。
ゆっくり歩くときに触れてくる空気の、風景の心地よさと楽しさを。
手間をかけてつくり、育てたものの格別な愛おしさを。
守りたくなる素敵なものたちをとっくに手にできていることに、たくさんたくさん気付ければいいな、と思います。

土星は時間をかけることを厭いません。定めがあることを厭いません。だからこそ本当に守るべき大切な何かをたしかに手にした安らぎを、感じられるんだと知っているのです。

土星はしばらくとても活気ある状態になります。ゆっくり、しっかり、もう一度「時間の約束」を守れるようになることに、向き合ってみていいような気がします。そうすることが後ろ向きでも窮屈なことでもないことに、きっと気付けるような、そんな感じがする空模様です。
国の向かうところを定めていかなければならない新政権の人たちも、そんな約束に誠実になってくれればいいな、と願いつつ・・・。

大切な約束に気付く香り
   サイプレス 2滴
   ローズマリー 2滴
   パチュリ 1滴
by leaf-child0802 | 2009-09-12 15:09 | 植物たちのこと
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