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ことの葉暦

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世界の音律

昨日は、思いがけない素敵なことがありました。

先日このブログでジョー奥田さんの「AMAMI」というCDをご紹介しましたが、なんとご本人がその記事を読んでくださり、ちょうど六本木ヒルズでご自身が主催されるユニットのライブがあるということで、せっかく近くにいるのだから、とお招きをいただいたのです!

「こんなことって、あるんだなあ…。」
びっくりするのと、うれしいのとで、ちょっとばかり動転しながらも、もちろん、伺うことにしたのでした。

The Nature Sound Orchestra
ジョーさんの自然音に、藤井尚之さん(言わずと知れた、元チェッカーズ。その後のご活躍ももちろん、みなさんご存知のことでしょう。)のサックスと、高橋全さん(朝崎郁恵さんと共に、シマ唄をピアノで唄う、というスタイルを創りあげられた方です。)のピアノ…きっと素敵なライブになるに違いない、と、とても楽しみに出かけました。

場所は、六本木ヒルズの展望フロアの一角にあるMADO LOUNGE SPICE。

近所に住んでいることもあって、わざわざ訪れる、ということをしたことがないそのフロアから夜景を眺めたのは、昨夜が初めてだったように思います。
都心にいると、この街の果てはあまりに遠くて、辺りを埋め尽くしている人間が灯す煌々とした灯りは、地平線までをもあますところなくなぞっていました。
その上に拡がっているはずの夜空は、星影もなく奇妙なくらいに平らかで、ただひとつ、ラウンジの隅に腰掛けた私の目線のまっすぐ先に、木星が明るくくっきりと輝いていました。地平より、少しだけ空に近いところにいるせいか、この肉体を持ったままでも、そこへ行けるんじゃないか、と思ってしまえるくらいに、その輝きは、いつになく近しく、親しげにそこにあるように思えました。
現実感と、非現実感のバランスが、いつもとはまるで違うような、不思議な感覚が満ちてきます。ここにいる、という感覚を、いっそう注意深く意識しないといられないような、少しアンバランスな、バランス。

そんな不思議な空間に、ジョーさんが丹誠にとらえて、大切に運ばれた自然音が、注がれていきます。
波の音。雨の音。雷鳴。鳥の声。虫の声。空気の揺らぎ。水の揺らぎ。光の揺らぎ。耳を澄まさずにはいられない、愛おしい気配たちの感触。
そんなものたちへと、丁寧に差し出すように、委ねるように、音を手放していかれる藤井さんと高橋さん。
その音を大切に愛でようと、心をかけて静かに座っているお客さんたち。

そんなすぐそばを、煌びやかな都会の夜景を観るために展望フロアを訪れた人たちの、少し浮かれた無遠慮な気配が、途切れることなく通り過ぎていきます。
耳を澄ませているからこそ、いつになく、そこにある気配を、あまねく感じてしまうのです。

奄美から東京に帰って来ると、感覚をアジャストするのにいつも数日かかってしまいます。
東京では、shut outとはいかないまでも、色んなことをmaskして過ごしているのだなあ…と、思います。そうしないと、日々の恙無さを守れないような気持ちに、なってしまっているのだなあ…と、思います。

自然に生きる、ということについて、あらためて思いを深くします。

自然に生きるものたちは、居場所、というか、あり方、というか、世界の「律」のようなものを、自ずとわきまえているように思うのです。そして、どこかでそんな「律」のようなものが確かにあることを認められているから、たとえそれが人間の生活を時に脅かすようなものの気配であったのだとしても、わたしたちは、自然の音を「美しい」と、安心して、なんら抗うところなく思えるのだろうな、と思うのです。

そんな世界の音律に、心をかけていられるようでいたい、と思いました。そして自らの内にも、それを感じられるようでいたい、と思いました。
この世界が、ほんとうに心地よくあるように。
その音の響きが、美しく満ちるここであるように。

ジョー奥田さん、素敵な時間をありがとうございました。
そして奄美の神ぬ引き合わせに、感謝を。

世界の音律を感じる香り
   ローズマリー 2滴
   フランキンセンス 3滴
   パチュリ 1滴
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by leaf-child0802 | 2009-11-22 12:54 | 奄美のこと | Comments(0)
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