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ことの葉暦

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Their Sweet Home

昨日も今日も「年に何度もない寒い日」になっている東京です。
ちょっと前から降り出した雨をじぃぃー…っと見ていたのですが、心なしか、雨粒の輪郭の重さの加減がいつもとは違う気がしました。
霙(みぞれ)なのかな??雪になるかな??

昨日の空も、いつそんな水の粒が零れてきてもおかしくないような模様をしていたのですが、とりあえずまだ傘を持っていなくて大丈夫でしょう、とのことだったし、風も穏やかだったので、用事を済ませに表参道まで歩いて行きました。
そして、道すがら、ある写真展をのぞいてきました。

島色 屋宮秀美 奄美大島写真展

少し前の朝崎郁恵さんのライブでもらったフライヤーの束の中に、告知の葉書が入っていたので、気にしてあったのでした。

会場は、少し路地裏を入っただけで、表通りの華やぎから一転、こぢんまりと静かになるところにありました。
エレベーターを降りた途端に寄ってきたのは、シマ唄の音色。
ちょうど、ライブが始まったところ、だったようです。
私も大好きな、「糸繰り」。それから、「行きゅんにゃ加那」と、「国直よね姉」。

私は、奄美の三味線の音色が、とても好きです。
沖縄の三線よりも、少し高いところをとおっていく音。
人々のいのちの水を、情感の湿度を、たっぷり含んでも重苦しくならないように…大丈夫なように…と心がけているみたいにして、いい感じに乾いている音。

鮮やかな芸能、ではなく、和やかな楽しみ、といった感じに唄われていたのが、素敵でした。
シマ唄がきけるつもりでいなくて、思いがけなかったので、すごくいいことがあったみたいな気分になれました。

山と海と空の、緑や青や、紅色や金色の雄大さのある綾ももちろん魅力的な「島色」なのですが、個人的には、女の人らしさを感じる、野の花の色をうつした写真がいいな、と思いました。



展示は手作り感がいっぱいの、ちょっと文化祭みたいな風情もある感じで、大切に飾られたいくつものお祝いの贈りものの花束たちが、どうしたって話してしまわずにいられないみたいにしている、たまらないうれしさの感じとか、真ん中に置かれた、お菓子が満載のテーブルと大きなソファとか、そういったものたちが存在感を示していて、写真展なのに、写真はむしろそんな色々のひとつ、になっちゃっているみたいだったのですが、そういうところでむしろ、屋宮さんをはじめとしたスタッフの方たちが大事にしたいと思ってらっしゃることが、伝わっているような気がしました。
親しい気持ちを持てるものたちが、集まってくれていること、とか。そういうものたちがあること・いることへの感謝、とか。そういうものたちを確かめられる心楽しさや、心安らかさや、心強さ、とか。

シマ人ではない私は、思うのです。
よそのお家の、カレーの匂い、みたい。

例えば、中孝介さんや、梨木香歩さん(鹿児島出身で、高校の同級生には、シマから来ている、という方が何人もいたそうです。)などがおっしゃっていました。
「シマの人たちは、内気かもしれない。閉鎖的なところも、あるかもしれない。」
…たしかに、そうかもしれません。
外交的・外向的に力を使って、何かを守ろうとする人たちもいるけれど、シマの人たちはむしろ、ひたすら「内」を大切にすることで、何かを守ってこられたのかもしれない・・・そんな気がすることがあります。
内へと向かう、力の強さ。

それでも、カレーの匂いみたいに、そのお家の誰かが、そのお家の中の人たちのためだけに作っているのだけれど、気配が外へと漂ってきてしまうことが、あるのです。
外にいる私は、いい匂いだなあ…と惹きつけられたりするのだけれど、そのお家に入ってしまう、なんてことをしようとすることは、もちろんなく。それを実際に分かち合ってもらって、味わうことをして、それがやがて身の一部になって…なんてできることは、もちろんあるはずもなく。

お家、というものは、そうそうやすやすと開放されるものでは、ないのですから。

けれど、その美味しそうなカレーの匂いが想い起させるものに離れたところからそっと憧れてみたりしながら、今日はウチもカレーにしようかな、と私は思うのです。
そして、自分なりのレシピで、美味しいカレーを作ってみるかな、と思ったりするのです。

憧れのお家の香り
   カルダモン 1滴
   マートル 2滴
   ローズウッド 3滴
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by leaf-child0802 | 2010-01-12 14:05 | 奄美のこと | Comments(0)
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