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ことの葉暦

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私の味方

本屋さんでついついやってしまうこと。
文庫本がきっちりと詰まった棚の間を、背表紙を読みながらふらふらすること。
これは危険極まりない行為で、何故かというと、衝動買いしてしまう可能性が非常に高いからです。
衝動に耐えるには心許ない、私のお財布、のはずなのに。

けれども、本からメッセージを貰えた気持ちになれるのは、そうしてついついやってしまった結果なことが、多かったりするのです。
出会いの妙って、そういうもの。

もっとも、ほんとうに気に入ったモノとしか一緒にはいない私なので、そうして出会ったけれど、手許にはもうない本も、もちろんあります。(衝動買いにはありがちな結末。)
けれども、
ここを、この一言を、この一行を、読みたかったんだ、と思えた。
ほんの一瞬、そこに神さまの通り道が開いていて、繋がることがちゃんとできたんだ、と思えた。
そういう相性で、そういう運命だった。
この出会いは、それでもう十分。
…そういう本も、いるのです。

「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」高山なおみ

吉田篤弘さんの本のタイトルにもちょっとありそうな言葉の並びが気になって、手にとった一冊。
高山さんは料理研究家だそうで、日記みたいなエッセイの章末にはお料理のレシピが添えられていて、「豆腐飯」と「モロヘイヤの梅和え」と「おかかバターライス」がなんだかとても美味しそうだったので、つい買ってしまったのでした。

ご本人も、あとがきで、読み返せない時期があった、と告白されていたのですが、感性の繊細さとか強さとかを、痛がることでしか認めることも伝えることもできないみたいな感じがあって、彼女のことをついつい案じるばっかりにこちらもなってしまうような、たしかに読み返すのをためらわせてしまうところがあるような、本でした。

けれど、ちゃんとありました。読み返したくなるところ。

「その部屋のぜんぶが彼女に寄り添って一緒に暮らし、そのぜんぶすべてのものが彼女の味方。」

ひとりで暮らすその彼女に会うと、その部屋に行くと、高山さんはいつも帰れなくなるぐらい酔っぱらってしまうのだそうです。多分、甘えたいから。安心だから。
お気に入りのブランケットの上で、お気に入りのクッションにもたれながらここを読んだ時、やっぱりひとりで暮らす私は、うわ~っと表現するしかないような、幸せな感覚をいっぱいに覚えました。

「この部屋のぜんぶが私に寄り添って一緒に暮らし、そのぜんぶすべてのものが私の味方。」
…ああ、そうだよねえ。そうだよねえ。なんて心強いんだろう。なんて安心なんだろう。なんて幸せなんだろう。

ここを読むと、部屋中へ、ありがとうをたくさん言ってしまうのでした。

甘えたくなるお部屋の香り
   カモミール・ローマン 1滴
   ゼラニウム 1滴
   プチグレイン 2滴
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by leaf-child0802 | 2010-01-25 15:56 | 本棚 | Comments(0)
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