そのひとを初めて見たのは、来日に際しての特集の、インタビューで、でした。
ああ、とても美しいひとだ、と感じました。
飾り気のなさ、が、ほんとうに美しいひとでした。
強さゆえ、ではなく、無垢ゆえ、でもなく、
透徹と純真ゆえ。
そんな飾り気のなさ。
ああ、このひとは、ここにこのように、そのままにあって、心地がよいのだ、と感じました。
いつかきっとこのひとの舞台を観なくっちゃ、と思ったものです。
でも、その時が、彼女の最後の来日の機会になってしまったのでした。
そのひとの名は、ピナ・バウシュ。
彼女が逝って間もなく3年。
彼女のカンパニーと、彼女の親友でもあったヴィム・ヴェンダースが、彼女を想ってつくった映画が公開され、観に行ってきました。
「pina 踊り続けるいのち」
(原題は、「dance, dance, otherwise you are lost」)
とても美しい映画でした。
その理由はきっと、ヴィムとカンパニーのメンバー皆が、唯ピナへのthank youとI love youを伝えようとしていたから。
そして、
ピナがそうありたいと願い、
ピナがそうあろうと励み、
ピナがそうあったように、
いのちの美しさを、唯純粋にそのものであろうとすることで表現しようとしているのが、伝わったから。
もっとも、やっぱり、美しくて泣いてしまったのは、ピナが踊るシーンで、でした。
無邪気、とさえいえるほどに純粋で、
深遠なのに、軽やか、とさえいえるほどに透明で、
ああ、自由とは、こういうことなのかもしれない、と感じました。
ピナの香り
プチグレイン 2滴
シダーウッド・アトラス 1滴
レモン 2滴