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ことの葉暦

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わが祖国

ミュシャ展
パリの夢 モラヴィアの祈り
@森アーツセンターギャラリー

いつまでたっても、どうやっても、人混みが苦手な私が、
珍しく森タワーに上ったのは、
「SKY DECK」のためではなく、
ミュシャに会うためだったのですね。



もう20年ほど前のことになると思うのですが、
渋谷の文化村の美術館に、
彼の代表作である、「スラヴ叙事詩」の一枚、
「聖山アトス」が、やって来たことがありました。

今思えば、とんでもなく特別なことです!
もうあの絵には、チェコに行かないと会えないんだろうな、と思います。

当時は、ベルリンの壁が崩壊してから数年、という時期でしたから、
世界がなんとなく、解放の機運に酔っていた。
そのどさくさ、と言っていいような感じで、実現した企画だったのでしょうから…。

幸運にも、そこで、その絵と出会ってから、
私はずっと、すっかりミュシャの虜です。

彼にとっての「わが街」であったプラハを、いつか訪れること。
私の、実現したい夢のひとつです。



甘美で、
典雅で、
うっとりさせられてしまう、ミュシャの絵。

でも、
うっとりとはさせられるのだけれど、
それは、、
夢想的ではなく。
幻想的ではなく。
眩惑的でもなく。
蠱惑的でもなく。

明澄で、
健やかで、
しっかりとして、
力強くさえある。

「私もちゃんと、この世界を愛して生きよう。」
そう思えるように、
励ましてくれるような。

私にとってのミュシャの魅力は、そんな感じ。

そしてそれは、
ミュシャが、
homeをfaithfulに愛した人であった故のもの、ではないか…そんな気がしています。



彼が生を受けた当時、
彼の祖国、「モラヴィア」は、
オーストリア・ハンガリー帝国の支配下にありました。

そして、
彼の晩年、
彼の祖国は、
ナチスの脅威にさらされてもいたのです。

そのような状況下では、
人々の「祖国愛」は、
しばしば、
反発や抵抗によってこそ、
動かされるものであったりもしますが…

ミュシャの「祖国愛」は、
支配への反発として生まれたものでも、
脅威への抵抗として育ったものでも、
きっと、なかった。

彼が望んでいたのは、
ただ祖国の自立と解放、といったようなものでは、なかった。



ミュシャは、
「相互理解と結束」の大切さと、
そして、
人々には、それを実現する力があるのだ、ということを、
伝えようとした人でした。
そして、
そのことを説くために、
自らの才能を使った人でした。

彼にとっての「祖国」とは、
「相互理解と結束」を実現する力が、
生成する機会が恵まれてあるところ、であり、
育成される機会が恵まれてあるところ、であり、
だからこそかけがえがないところ、であったのです。



「相互理解と結束」の力。
人々が、それをもって世界に向かえるのなら。
世界は、愛と平和のたしかにあるところ、に、なれることでしょう。

それこそが、私たちの、ほんとうのhome。



homeをかけがえなく思うのは、きっとみんな同じなのです。

そのことを、一生懸命伝えようとしたミュシャに、
私は共感してやまないのでした。



ミュシャの祈りの香り
   パチュリ 1滴
   パルマローザ 1滴
   エレミ 3滴



今回のお気に入り。
e0170845_9318.jpg

「四芸術」より「詩」。
ちなみに向かって右側は、習作です。(実はこっちの方が好き。)
後で知ったことなのですが、コレ、日本初公開、ということで、今回の目玉のひとつだったらしく…
おかげで、習作の方まで絵ハガキにしてあったみたい。(買えてよかった。)

詩のdivaが見つめているのは、お星さまです。
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by leaf-child0802 | 2013-05-06 09:07 | お出かけの記憶 | Comments(0)
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