ブログトップ

ことの葉暦

leafstar.exblog.jp

祈りの歌

週末、ちょっとしたお出かけをしてきました。
友人夫妻が出演するコンサートのために、東京オペラシティへ…。

 高田三郎作品による
 リヒトクライス第20回演奏会
 「水のいのち」出版50年記念

日本の作曲家たちの間にあって、
清く力強い星として、紛う方なき光を放っておられる、高田三郎先生。

そんな先生の音楽を、
しっかりと伝え継いでいこうと、
先生の最も親しい弟子である鈴木茂明先生を中心にかたちづくられている「輪」。

それがリヒトクライスです。

(「リヒト」はドイツ語で「光」
 「クライス」は「輪」という意味なんだそう。)



「水のいのち」は、
高田作品の、というだけにとどまらず、
日本の合唱曲の、代表曲のひとつ、となっている曲なので、
ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

今回は、そのイタリア語版が演奏されました。

イタリア語は、
最も歌曲に適した言語だ、と言われたりしますが、

それが歌われる妙を堪能できました。

高田先生は、
ロマンティシズムや、
センチメンタリズムに堕ちいることなく、
それでいてしっかりと、
「言葉」を、
そしてそれにあらがいがたく動かされていく「心」の流れや、
寄り添うように動いていく「魂」の感触を大切に旋律をつくっていかれる方なので、

そんなかけがえのない「言葉」を、
他の言語にうつすことは、
ほんとうに重いお仕事だったろうと思います。

でも、
(私はイタリア語をよく知っているワケではないけれど、)
しっかり成し遂げられているように、感じられました。
(訳者の松本康子先生も、会場にいらしていました。)



そして、
コンサートのもうひとつの要は、
「典礼聖歌」。

カトリックが御ミサで歌う歌たち。

実は、
日本のカトリック教会で歌われる歌のほとんどは、
高田先生によるものなのです。



「普遍的な(=catholic)」
…という名を冠する誇りに長い間拘泥してきたカトリック教会が、
「同じではない」ということを正しく受け容れ、
その上で、
「ひとつになれること」「ひとつであれること」の豊かさとほんとうに向かって開こうとするようになって、
まだ半世紀ほど。

いつでもどこでも否応なくラテン語で執り行われていた御ミサで、
人々が共に生きているそれぞれの言語を使うことが認められるようになってからは、
まだ数十年ほど。



「典礼聖歌」。
クリスチャンでない方には、馴染みのない呼び方かもしれませんね。

「讃美歌」ではないの?…と。

その違いを語ることは、ちょっと難しい…。

でも私なりに、拙いながらに、語ることをゆるしていただけるなら…



「讃美歌」は、
私たちの想いの表現のために歌われるもの、のような気がします。

一方で、
「典礼聖歌」は、
祈りのために歌われるもの、のように思っています。
私たちの、自己表現のためでは、純粋になくて。



では、
「祈り」とはなんでしょう?



以前、
「『祈り』とは『お願い』ではない。」
…と書いたことがありましたが…。



「祈り」とは、

応えてもらいたくてするもの、ではない。

応えようとして、
応えとして、
するもの。

呼びかけてくださる方に、
招いてくださる方に、
真っ直ぐに開いてあるなら、
何をしているのであろうと、
その時私たちは、
祈りの内に生きている。

…そんな風に、言ってみたいと、思っています。



そんな大切な、
「祈り」を、
「応え」を、
私たちが共に生きている言葉で、できるようにする。

そんな大きく重い使命を託され、果たされたのが、高田先生だったのでした。



先生が、いのちを注いでつくられた曲たち。

混声合唱の豊かな響きによって、
ゆっくりと味あわせていただくことで、

私自身聖歌奉仕者として招いていただき、
ささやかながらも、
そんな曲を歌い、伝え継いでいくことを担わせていただけていることに、
あらためて幸せを感じました。



祈りの歌の香り
   エレミ 2滴
   ローズマリー 1滴
   ベルガモット  2滴



今回のプログラムの中に、
高田先生が個人的な言葉で書かれた、
こんな一文がありました。

「人間の中には必要でない人はひとりもなく、
 ただその人が、その必要な場にいって精一杯生きるかどうかだ、
 ということもわかってほしい…」

私たちは、
必要な場にいって、
精一杯生きねばならない。

でも、
どこが必要な場なのかは、
私たちは、
自分一人では、
決してわかることはない。

だからきっと、
大切なのです。

応えてもらいたい、とするばかりでなく、

呼びかけに、
招きに、
応えられるようで、あることが…。

祈りの内に、生きることが…。
[PR]
by leaf-child0802 | 2014-02-03 10:58 | お出かけの記憶 | Comments(0)
<< 幽けきものたちへの愛 2014年1月水瓶座で新たに生... >>