先日、今ちょっと話題の「ベンジャミン・バトン」を観てきました。
皆さまそれぞれに好きとか嫌いとか、考えるところ、思うところ数多おありだろうと思いますが、私は、よい映画だった、と思いました。時は流れる、という、世界の約束のことを、想いました。
星の世界では、時を司るのは土星だ、とされています。
時の流れ、というのは容赦ないくらいに着実で真面目なので、人はときにそれを「残酷だ。」と恨んだりします。だから土星もしばしば「大凶星」の誹りを受けたり、「意地悪じいさん」なんて言われたりすることもあります。
でも土星は、与えられたものをきちんと守ろうとする星です。定められたことをきちんと果たそうとする星です。責任感が強くて、とても誠実な星なんです。そんな土星が時を司ってくれているからこそ、私たちはなにかを楽しみに待つことを、安心してできるのです。
大切な瞬間をもっと大切にするために、人間は時を数えることをするようになりました。数えられる、ということは、とても確かな「感触」をしっかりと保持している、ということのように思います。信頼することは易しい、そういうことのように思います。
時の流れがそんな風にしっかりしていなかったとしたら、記念日を祝う歓びは存在できません。愛しい誰かの帰宅に合わせて温かいものを用意することだって、できないのです。
明けない夜はない、といいます。終わらない冬はない、といいます。朝は必ず巡ります。春は必ず、巡ります。ただ、忘れないで…そのためには、夜も冬もまた、巡ることを必要とされているんだよ…と土星は言います。
この世界に時の流れがあること、そしてそれを土星が守ってくれていることは、とても素敵なことなのです。
そんな土星を感じる香り
モミ 2滴
パイン 2滴
グレープフルーツ 1滴
そのイメージからは意外かもしれませんが、土星というのは、端正な球ではなくて、こころもち「ひちゃげた」(極方向の最大径が、赤道方向の最大径より10%も短いのだそうです。)、なんとも愛らしい姿をしています。Wikipaediaで「土星」をひくと、探査衛星カッシーニが送ってくれたポートレートが見られますので、興味のある方はぜひ。
ちなみに私が大好きな元ちとせさんの楽曲に、「カッシーニ(土星に環がある理由)」というのがあります。昨年旅立たれた上田現さんが、彼女のために最後に創った、美しい曲です。上田さんは、ちとせさんが土星を守護星とする山羊座の生まれだということを、ご存じだったのでしょうか。