「春を迎える心構え」…素敵な言葉だなあ…と思いました。少し前に、諏訪の神社の神主さんがおっしゃっていた言葉です。
冬が盛りを迎えると、諏訪湖では「御神渡り」と呼ばれる自然現象が起こります。全面結氷した湖面が気温の変化にともない収縮・膨張を繰り返すことで亀裂からせり上がるもので、「神様の足跡」とされているそうです。
(奄美で聞いた大好きな言葉に「神様の通り道」というのがあるのですが、ちょっとそれを思い起こさせます。)
諏訪の人々はこの「神様の足跡」を観てその年の暮らしを占ってきました。ところが近年、地球温暖化の影響か、この「神様の足跡」をみることができなくなってきているらしいのです。湖が全面結氷するためには-10℃の最低気温の日が少なくとも3日は続かないといけないのだそうで、全面、どころか一部さえも凍らない冬がもこのところ少なくないのだとか…。-10℃・・・。東京暮らしでは想像を絶する厳しい寒さです。でも神主さんはおっしゃいます。「厳しい寒さを経ることは、春を迎える心構えのために必要なことなのです。」
とても素敵な言葉であるとともに、神様の足跡をたどることができないままに春に向かうことへの戸惑いと不安が感じられた言葉でもありました。その感覚に、巡りくるものを大切に受けとってきた人たちの自然への素朴な信仰がまだしっかりと生きていることが確かめられて安堵するとともに、私自身もそんな感覚を大切に携えて温暖化と向き合っていこう、とあらためて思いました。確かに冬は暖かい方が楽ちんかもしれません。でも冬の寒さを経るからこそ、春はあんなにも力強いのです。
それにしてもここしばらく、東京はしっかり寒いですよね。…と言っても、沈丁花も咲き揃ってきたし、春はどんどん近付いています。明日の予想最高気温は4℃!ひな祭りには雪も降るそうです!遅ればせながら、かもしれないけれど、「春を迎える心構え」、しっかりやっておきましょうね。
寒さにくじけないで春を待つ香り
ローズマリー 3滴
マヌカ 2滴
ジンジャー 1滴