長い寒の戻りでしたが、ようやく冬は去ったみたいですね。暖冬だったので、思い残しがあったのでしょうね。
桜も満開になり、お花見モード全開な雰囲気。なので敢えて、桜のお話ではない、春の景色のお話を。
これ、秋の景色ではないんです。さっきお買い物を済ませがてら撮って来ました。
我が家から有栖川宮記念公園を抜けて広尾の駅前へ出る道で会える、大好きな楠の樹の葉っぱです。
この樹は冬にも希望を謳い続けるエバーグリーン(常緑)で、実は春にひっそりと葉を落とします。桜の花が開き、他の樹々たちのところにいのちの力と歓びに満ちた葉っぱたちが還ってくるのを見届けて、やっと安心したみたいに葉を落とすのです。それと共に、花の艶やかさに似た紅色~金色の新芽の光を纏います。
ケータイのカメラしか持っていない上に使いこなせていないので、綺麗に撮れていませんが、周りの樹々とは明らかに違う、紅色や金色の光に粒子が宿っているのが、なんとな~く判るでしょうか?
春の紅葉です。
人々が春に求めるのは、桜と新緑に彩られた景色です。紅葉は秋に楽しむもの…だから道行く人たちが、秋の楓や紅葉のそれにするように、この楠の樹の紅葉を讃えることは、きっとあまりないでしょう。
でも、ほんとうに美しい景色です。
それぞれの、時というものがある、ということ。だから、自分らしいあり様でその時を迎えれば、それでいいんだよ、ということ。
そんなことを、思います。
この道は外苑西通りに片側一車線のバス通りが交わるポイントで、車が詰まりやすくて、人々のイライラが湧いていてもおかしくないのですが、この樹の辺りにはとても安心できる空気が流れています。ゆったりと大きくて、ついくっつきたくなる様な、素敵な樹です。(さすがに不審者になるので、我慢しますけど。)今日も通行の邪魔にならない程度にうっとり眺めていたら、その光に満ちた枝越しに、満ちてゆく真昼の月がうっすらと見えました。
今日の月は、蟹座にあります。最近なにかとささくれてしまっているなら、胃に優しいおいしいものを、お家でゆっくり楽しむと好い夜になりそうです。
蟹座の月の夜のくつろぎの香り
カモミール・ジャーマン 1滴
マージョラム・スイート 2滴
ベルガモット 3滴